ふるさと納税返礼品の転売

フリマアプリのふるさと納税返礼品の転売はおすすめ?それとも禁止?

誰もがフリマアプリなどで不用品を販売する時代。そしてちょっと悲しい話ですが、その中にふるさと納税の返礼品が並んでいるのを見かけます。返礼品の転売は、違法ではないのでしょうか?この記事では、ふるさと納税返礼品の転売について解説します。

返礼品の転売可否は?ふるさと納税制度の趣旨

インターネット上で個人同士が物を売買できる「フリマサイト」に、ふるさと納税の返礼品が出品されているのを見かけることがあります。「返礼品の転売って、違法じゃないの?」と思った方もいるかもしれません。

返礼品の転売は、法律で禁止されていません。しかしふるさと納税制度の趣旨からは外れており、原則として「やるべきではない」行為であるといえるでしょう。

2022年6月には、ふるさと納税の返礼品の転売や換金について、総務省が一定の見解を示した出来事がありました。このことは、のちの章で解説します。

ふるさと納税制度と返礼品の趣旨

ふるさと納税とは、全国どこでも任意の自治体に寄付することができる制度です。その目的は、地域を支援することにあります。

多くの人は地方で生まれ、就職などを機に都市部へ移り住みます。しかし居住地のみに納税する制度の中では、大人になるまでさまざまな行政サービスを受けた故郷に対し「納税による恩返し」ができないことになります。

そこで、「ふるさとにも納税できる制度があっても良いのでは」という議論から生まれたのがふるさと納税制度です。

返礼品は自治体や生産者の「善意」

寄付を行うとほとんどの場合にもらえる「返礼品」は、実は提供することが制度で決められているわけではなく、自治体側が任意で行っています。

地域の生産者と自治体担当者の協力のもとに用意された返礼品には、寄付への感謝の気持ちだけでなく、「特産品の良さを、全国の方々に知ってほしい」という思いもこもっています。実際、返礼品のレビューでは「気に入ったので、その後も自分でリピート購入している」いう投稿もよく見かけます。

返礼品は、ぜひご自分やご家族、ご友人たちと楽しんでください。そうすることで、「地域支援」というふるさと納税制度の趣旨が全うされ、返礼品の生産者や自治体担当者の善意も報われることになります。

転売サイトで取引されるふるさと納税返礼品の傾向

フリマサイトには、どのような返礼品が、なぜ出品されているのでしょうか?出品されているふるさと納税の返礼品の傾向を分析してみました。

転売サイトで見る返礼品:金券・商品券類

旅館や温泉施設、レジャー施設などの利用券や飲食店の食事券、鉄道の乗車券などが出品されています。「事情により、券の使用期限内に行けなくなった」という出品理由のほか、「間違えて申し込んでしまった」といった理由もみられます。

例えば、現地の複数の施設で使える20,000円分の利用券が18,000円で出品されていたりと、定価より少し値引きされた価格にて出品されていることがほとんどです。

星野リゾートの宿泊券富士急ハイランドのフリーパスなど、人気施設の利用券や、沖縄や箱根、熱海など人気の観光地の宿泊施設の利用券などは、出品からほどなく売れているようです。

転売サイトで見る返礼品:雑貨

キャラクターグッズバッグタオルや扇子、ゴルフボールなどさまざまなものが出品されています。

ご当地グッズや、その地域出身の作家とのコラボ商品などのオリジナル商品も多く、定価が不明なことから出品価格の妥当性が分かりにくいためか、買い手がついていないものも多くみられます。

転売サイトで見る返礼品:食品

お米や乾麺、スープなどの日持ちする食品が出品されています。

特にお米の出品は多く、「定期便の返礼品だが、食べきれない」との理由がほとんど。

5kg入りや10kg入りのお米が定価より数千円安く出品されていることが多く、出品から売れるまでも早いようです。

転売サイトで見る返礼品:家電・キッチン用品

数は多くありませんが、トースターハンディ扇風機包丁フライパンなども出品されています。「届いてみたら、思っていたのと違った」などの理由で出品に至ったようです。

新品未使用の出品物は、多くが市場価格より3,000~4,000円ほど安く出品されています。また、使用済みの出品物が大幅に値引きされて出品されていることもあります。

転売・換金は禁止!「キャシュふる」問題で明確化

「寄付者が返礼品の代わりに現金をもらえる」サービス

ふるさと納税の返礼品の転売や換金について、総務省は規制する方向の見解を示しています。2022年6月、「寄付者が返礼品の代わりに現金をもらえる」というサービスが登場したことが発端となりました。

「キャシュふる」という名称のこのサービスは、ウェブサイト上で寄付者がふるさと納税の寄付手続きを行うと、返礼品の代わりに、寄付金額の20%にあたる現金を受け取ることができるというものでした。


画像出典:キャシュふる

開始からわずか2日でサービス終了

しかしキャシュふるのサービスは「ふるさと納税制度の趣旨から外れている」との声が相次ぎ、物議をかもしました。

そして開始2日後、総務大臣が「寄付者が返礼品の代わりに現金を受け取ることは制度の趣旨から大きく外れたものであると考えている」と発言したことを受け、キャシュふるはサービスを終了しました。

告示改正で転売業者の利用を規制

事態はここで終わらず、総務省は6月23日、地方税法に基づく告示を改正しました。

現在のふるさと納税では、「指定制度」が導入されています。一定の基準に適合した地方団体を、総務大臣が「ふるさと納税制度の対象」として指定するという制度です。自治体は、総務大臣の指定を受けなければ、ふるさと納税制度に参加できません。

指定制度の施行の経緯については、以下の記事で解説しています。

今回の告示改正では、この「一定の基準」に、キャシュふるのような「返礼品を転売し、寄付者にその対価を支払う業者を通じて寄付金の募集を行わないこと」という項目が加わりました。

この件の一連の経緯は、以下の記事で詳しく解説しています。

キャシュふる問題から考えるふるさと納税返礼品の転売

告示では、返礼品の転売・換金行為自体が禁止されたわけではありません。自治体に対し、転売業者を通じた寄付金の募集を規制した形です。

しかしキャシュふるのサービスだけでなく、返礼品を転売する行為自体も、ふるさと納税制度の趣旨から外れています。したがって今後、返礼品の転売行為が目立ってくるようになれば、転売行為自体にも規制が及ぶ可能性もあるかもしれません。

禁止されていなくても転売は控えましょう

フリマサイトに出品されているふるさと納税返礼品では、「食べきれない」「期限までに使えなくなった」などの出品理由が多くみられることは前に述べました。

使わなくなった物や余っている物をフリマサイトで売る行為は日常的に行われていることであり、決して悪いことではありません。

しかしふるさと納税の返礼品に関しては、前述のように転売は制度の趣旨に反しているため、原則として「やるべきではない行為」だといえるでしょう。

転売を避けるために、ニーズに合う返礼品を選ぼう

前述のように、返礼品の転売に至る理由は「使えなくなった」「使いきれない」といった理由が多いようです。このような事態を避けるためには、自分のニーズに合う返礼品をよく見定めて選ぶことが大切です。

とはいえ、返礼品は選択肢が非常に多く、迷ってしまう方も多いかもしれません。当サイトでも、選ぶ際に参考にしていただけるよう、さまざまな切り口の記事をたくさん掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそものふるさと納税手続きの一連の流れや、返礼品の選び方などは、以下の記事でもマンガ形式で説明しています。

どうしても、返礼品を選ぶ暇がない時はコレ!

とはいえ、「時間がなくて、返礼品を選べない」という時もあるかもしれません。そんな時は「カタログギフト」返礼品を選んで寄付をしておくと、後でゆっくり返礼品を選ぶことが可能です。

また、ふるさと納税ポータルサイトの一つ「ふるなび」は、「ふるなびプレミアム」というサービスを行っています。

寄付金額50万円以上の方が対象で、寄付プランの提案から返礼品の選別、寄付手続き完了までを無料で代行してくれます。

まとめ

ふるさと納税の返礼品を転売する行為は違法ではありませんが、ふるさと納税制度の趣旨から外れた行為であることを考えると、原則としてやるべきではない行為だといえます。

転売する必要に迫られないためには、自分のニーズに合う返礼品選びが肝心。当サイトで掲載しているさまざまな記事を返礼品選びの参考にしていただき、ぜひ素晴らしい返礼品と出会って、生活の中で活用してください。