ふるさと納税返礼品の換金

ふるさと納税返礼品は高換金率?換金しやすい?換金の可否について

ふるさと納税は、本来納める地域が決まっている税金を、応援したい自治体に寄付できる画期的な制度です。特産品の返礼品も魅力ですが、返礼品を転売・換金する事例はゼロではありません。この記事では、ふるさと納税の転売・換金について解説します。

ふるさと納税返礼品の換金について

ふるさと納税を行う人の中には、もらった返礼品を転売するなどして換金する人もいるようです。

返礼品の換金は、法律で禁止されているわけではありません。しかしふるさと納税制度の趣旨からは大きく外れており、推奨される行為ではありません。原則として行うべきではない行為であり、制度の悪用ともいえるかもしれません。

ふるさと納税制度の趣旨とは

ふるさと納税は「納税」という名前がついていますが、「全国どこでも任意の自治体に寄付することができる制度」です。つまり、「地域を支援する」ことを目的とした制度なのです。

この制度には、さまざまな意義があります。

例えば多くの人は地方で生まれ、さまざまな行政サービスを受けて育ちます。しかし就職などを機に都市部へ移り住むと、居住地のみに納税する制度であれば、「地方自治体が、負担した行政コストに見合う税収を得られない」という課題がありました。

そこで、「自分を育んでくれたふるさとにいくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」という問題提起から始まったのがふるさと納税制度です。つまりふるさと納税制度には、「『ふるさと』への税の移転」という意図もあります。

どこでも好きな自治体に寄付できる理由

「ふるさと」を定義するにおいて、出生地とするのか、養育地とするのかなど、厳密に定義するのが難しい面がありました。

このため、納税者が選択するところを「ふるさと」と認めるという広い観点が採用され、「どこにでも好きな自治体に寄付できる」という制度となった経緯があります。

ふるさと納税における返礼品の位置付け

多くの場合、寄付を行うと自治体から地域の特産品などの「返礼品」が送られてきます。

しかし返礼品の送付は制度で決められているわけではなく、自治体側の任意の行為です。自治体によっては、返礼品がない寄付枠を設けているところもあります。

一方で、納税を受けたい全国の自治体は「選んでもらうにふさわしい自治体」として、自治体の健全な運営や土地の魅力などをアピールする必要があります。特産品などから構成される返礼品も、その一環です。

返礼品には「思い」がこもっている

返礼品は、地域の生産者と自治体担当者が協力して用意してくれた「善意の品」です。そこには寄付へのお礼の気持ちだけでなく、「特産品の魅力を、全国の方々に知ってほしい」という思いも込められています。

そのような思いのこもった返礼品ですから、ぜひご自分やご家族、ご友人たちと楽しんでください。そうすることで、「寄付先の地域を支援する」というふるさと納税制度の趣旨を尊重することにもつながるのです。

ふるさと納税返礼品で高換金率・換金しやすいとされるもの

前述したように、残念ながら返礼品を換金する人もいるようです。インターネット上で個人同士が物を売買できる「フリマサイト」には、大容量返礼品の一部が出品されていることがあります。

また返礼品の換金率ランキングや、換金で人気の高い返礼品などを紹介しているサイトのほか、ふるさと納税返礼品の金券類やカタログ類を高値で買い取りする業者を紹介しているサイトなどもあります。

換金サイトで見る返礼品:金券カタログ類

そういったサイト上で換金が推奨されている返礼品の中で、もっとも多いのが金券類カタログ類の返礼品です。これらの買取業者を、リストアップして紹介しているサイトなどもあります。

宿泊施設の宿泊券や、ゴルフ場のプレー券やレジャー施設の利用券、レストランでの食事券などの返礼品は還元率がそもそも高く、返礼品としても「お得」だと考えられています。

還元率とは「寄付金額に対する返礼品の金額(価値)の割合」のことで、「返礼品のお得度のバロメーター」と考えられています。

このため、換金に手数料がかかったとしても「お得」だと考える人もいるのかもしれません。

また、Amazonギフト券は返礼品としては提供されていませんが、ふるさと納税ポータルサイトが行うキャンペーンで付与されていることがあります。

このことを鑑みて、Amazonギフト券を換金することを推奨し、業者をリストアップしているサイトもあります。

換金サイトで見る返礼品:食料品

お米や乾麺など、日持ちする食料品で、かつ大容量の返礼品の一部がフリマサイトに出品されていることがあります。

特に多いのは、お米です。定期便の返礼品をもらった人が「食べきれない」との理由で出品しているケースが多くみられます。また、ハンバーグや餃子などの加工食品も多く出品されているようです。

ふるさと納税返礼品を転売・換金する「キャシュふる」問題

寄付者が「返礼品の代わりに、現金がもらえる」サービスが登場したことがあります。

2022年6月、「キャシュふる」というウェブサイトが開設されました。寄付者がキャシュふるでふるさと納税の手続きを行うと、返礼品の代わりに、寄付金額の20%相当の現金を受け取ることができるというサービスを提供。その仕組みは、以下のようなものでした。


画像出典:キャシュふる

1.寄付者がキャシュふるへ資金を預ける
2.キャシュふるが寄付作業を代行
3.寄付でもらった返礼品をキャシュふるが販売
4.返礼品の売上から、手数料を差し引いた額をキャシュふるが寄付者に支払う

開始2日でサービス終了

キャシュふるのサービスには、開始早々から「ふるさと納税制度の趣旨から外れている」との声が相次ぎ、物議をかもしました。

当時のニュースなどによると、キャシュふるは、サイト上に「寄付先自治体の例」としていくつかの自治体の名称を記載していました。しかし自治体に事前の断りなく、キャシュふるが独断で特定の自治体の名称を使用したものであり、記載された自治体は自らのウェブサイトに「当市とは関係ありません」との記述を掲載。

「キャシュふるが当該自治体と提携している」と誤解してサービス利用を申し込んだ利用者がいる可能性を踏まえ、サービス開始の翌日には、キャシュふるから申し込んだユーザーへ全額返金する事態となりました。

そしてサービス開始からわずか2日後、総務大臣「寄付者が返礼品の代わりに現金を受け取ることは制度の趣旨から大きく外れたものであると考えている」と会見。「キャシュふる」のサービスは終了しました。

告示改正による規制

一連の事態を受けて、総務省は6月23日に地方税法に基づく告示を改正し、以下のように規定しました。

○総務省告示第百七十九号(令和四年六月二十三日最終改正)

(中略)

第二条 法第三十七条の二第二項及び第三百十四条の七第二項に規定する第一号寄附金の募集の適正な実施に係る基準は、次の各号のいずれにも該当することとする。

一 地方団体による第一号寄附金(法第三十七条の二第一項第一号及び第三百十四条の七第一項第一号に掲げる寄附金をいう。以下同じ。)の募集として次に掲げる取組を行わないこと。

(中略)

ロ 寄附者から法第三十七条の二第二項及び第三百十四条の七第二項に規定する返礼品等(以下「返礼品等」という。)の譲渡を受け、当該寄附者にその対価として金銭の支払をすることを業として行う者を通じた募集

出典:○総務省告示第百七十九号(令和四年六月二十三日最終改正)|総務省 

つまり告示では、キャシュふるのような「返礼品を転売し、寄付者にその対価を支払う業者」を通じた寄付金の募集を行うことを、自治体に対して実質的に禁じたことになります。

返礼品を換金するということ~キャシュふるを振り返って~

告示では、返礼品の換金(転売)行為自体には言及されていません。

キャシュふるのサービス開始と終了までの顛末が大きな注目を浴びたため、今回は素早い告示の改正が行われたわけですが、キャシュふるのサービスと同様、返礼品の換金行為もふるさと納税制度の趣旨から外れています。

もし今後、返礼品の換金行為に大きな注目が集まるような事態が起これば、換金行為自体にもなんらかの規制が及ぶ可能性もないとは言えないかもしれません。

換金せずとも十分お得に地域支援!ふるさと納税

ふるさと納税は、返礼品を転売・換金しなくても、もともと十分にお得な制度です。

ふるさと納税で寄付したお金は、原則として「寄付額から2,000円を除いた額の全額」が税金から控除されます。そのうえ返礼品がもらえるため、実質「2,000円の負担で返礼品が入手できる」と考えることができます。

また返礼品には、全国の人たちに地域の特産品を知ってもらう目的もあります。このため多くの場合、高品質な商品が市販価格よりもお得に提供されています。

中には、ふるさと納税の返礼品としてのみ提供され、市場には出回らない商品もあります。

ふるさと納税制度をうまく利用するには

ふるさと納税制度は、寄付する側もメリットを得ながら地域支援ができる制度です。以下の2つのポイントを押さえると、より自分に合ったサービスとして利用することができるでしょう。

自分のニーズに合う返礼品を選ぶ

返礼品は、ジャンルや量、配送頻度などが多種多様なため、自分に合う返礼品を見定めて選ぶことが重要です。

家電返礼品をもらってもあまり使わなかったり、食品の返礼品が大容量すぎて期限内に消費しきれなかったりすると、「ふるさと納税をお得に利用できた」とは言えなくなってしまいます。

本当に必要なものや以前から欲しかったもの、食品であれば消費期限内に消費できる量の範囲内で、無理なく選んでみてください。

とはいえ、返礼品は選択肢が多すぎて、迷ってしまいますよね。当サイトでは、選び方の参考になるような記事をたくさん掲載しています。ぜひ、参考にしてください。

ふるさと納税の控除上限額(限度額)の範囲内で寄付

寄付をすればするほど税金から控除されるわけではなく、控除額には上限が設けられています。

上限額は家族構成や年収などにより異なりますが、試算することができます。以下の記事で説明していますので、参考にしてください。

まとめ

ふるさと納税でもらった返礼品を換金する行為は、法律で明確に禁止されているわけではありません。しかし制度の趣旨から外れている行為であるため、推奨されません。

ふるさと納税は、返礼品の換金を行わなくとも、寄付者に十分にメリットのある制度です。ぜひ、返礼品をご自分やご家族、ご友人間で存分に活用して、返礼品に込められた生産者や自治体担当者の思いを受け取ってください。